株式会社木内計測は「工業計器及び自動制御弁等のメンテナンス」「プラント計装工事の設計・施工」を主軸に事業展開している会社だ。
今回インタビューしたのは、5代目社長を務める、木内啓文氏。
事業内容を中心に、木内計測の社風が成長へつながっている背景や今後の展望など非常に興味深い話を聞かせていただいた。
木内啓文さん(代表取締役社長)
2013年4月 入社、取締役執行役員 営業副本部長就任
2015年4月 取締役執行役員 中国事業部長就任
2019年5月 代表取締役社長就任
やりがいを持てる仕事“計装”で支える人々の暮らし

事業展開を教えていただけますか。
大きなところで言うと、発電所であったり、石油精製工場、身近なところでは上下水道やゴミ焼却場のメンテナンスに関する事業を展開しています。
メンテナンスの対象は、自動運転に関わるような制御装置や運転状態を監視するための計測機器です。
設備の中で流れている流体の量をコントロールする、いわゆるコントロールバルブのメンテナンスをメインにしてきました。
では、主な事業対象はインフラ設備ということでしょうか?
そうですね、比較的規模の大きなインフラ設備に携わっています。
「計測機器」と聞いても、なかなかイメージがつきにくいかもしれないですが、実は皆さんの生活を支えている仕事をしているんですよ。
事業の内訳としては7割近くがメンテナンスに関する仕事です。
また、弊社には設計部門があり、そこでは「監視制御」と言って、現在の状態を把握し、さらに良い状態にするための制御を司るシステムを開発しています。
開発のみでなく、そのシステムの据付工事やメンテナンスまでを一貫して対応可能で、この事業は全体の1割ほどです。
残りの2割は電気工事に関する仕事です。
弊社が取り扱う計装は電気が必要なため、電気設備の施工を行っています。
BtoBに特化している事業なのですね。
はい、関西電力様や中国電力様という電力事業者が大半です。
特に、関西電力様の場合は発電所の敷地内に弊社の事務所を設けて、発電設備の日常的な点検も含めて仕事を請け負っています。
トラブルが発生した際、すぐに駆けつけられるような体制です。
大きな企業とのお取引があるのですね。貴社の社員数も2025年6月現在、約400名と伺っています。ここまで会社が成長してこられたきっかけを教えてください。
大きなきっかけは弊社が得意としている、バルブや制御装置機器のメンテナンスだと思います。
発電所やインフラ設備が全国に一気にできた時期に、工事やメンテナンスが装置メーカーのサービススタッフのみでは追いつかなくなりました。
そこで、それまでメーカーと一緒に作業をしてきた弊社にも依頼が入るようになったんです。
「計装」と言われる分野になるかと思いますが、生活にあまり馴染みのない言葉なので、もう少し詳しく聞かせていただきたいです。
普通に生活していても、なかなか耳にすることはありませんよね。
しかし、実は私たちの生活には欠かせない、重要なものなんです。
計装とは、工場やプラントにある計測装置や流体の調節バルブを1ヶ所にまとめて設置し、合理的に管理できる仕組みのことです。
これは自動運転の根幹でありながら、生産を安定させていく重要な部分でもあります。
メーカーだと、そのメーカーが作っている単品のメンテナンスしかできないところを弊社は全て一括で対応可能です。
トラブルが発生した際にもトータルメンテナンスができるところがお客様からご愛顧いただいている理由でしょう。
例えば、バルブのトラブルがあった場合、バルブの中のどの部分の調子が悪いのかをチェックするのみでなく、バルブの運転状態を見ながら原因を突き止められます。
原因が判明したら、お客様に設備変更の提案をすることで工場やプラントの安定運転を支えてきました。
お客様からすると、技術面での安心はもちろん、1社への依頼で済めばコスト面でも抑えられるという点で重宝されており、これが成長の要因でもあると思います。
“ピンチをチャンスに”窮地の時こそ新しいチャレンジする強さ

メーカーはピンポイントなメンテナンス、貴社は全体像を見れるメンテナンス、というように差別化されているのですね。このような強みをお持ちの貴社ですが、これまで障壁と感じる出来事はあったのでしょうか?
インフラ設備関係の仕事を多くいただいている関係で、電力の自由化など政治的な背景から苦戦した時期がありました。
特に、2011年の東日本大震災では大きな影響を受けました。
福島第一原子力発電所が被災をしたことで、国内全ての原子力発電所の運転が停止。
そのため、弊社はメンテナンスの依頼が1つもなくなってしまいまして…。
この時期、弊社はメンテナンス業務のみを請け負っており、売上が4割ほど減少しました。
しかし、逆にこの余力が新しいことを始めるきっかけになりましたね。
弊社は、今までやっていなかった計装周りの電気工事や電気通信設備工事、いわゆる光Wi-fiの工事を新たに手掛けるようになりました。
さらに、近年ではもう一段階チャレンジをして、設計セクションも作りました。
この部署では、現場に特化した監視制御のシステムを開発しています。
まさに困難をプラスの方向に持っていったご経験をお持ちなのですね。このようなご経験を踏まえての貴社独自のカルチャーや会社の色はありますか?
お客様から「木内計測の社員さんは真面目ですね」とよく言われるのですが、私も実感しています。社風でもある「誠実」という言葉に共感して集まってくれている社員が多いんです。
真面目さと協調性を持ち合わせているカルチャーは全国に広がる事業所、いずれにも共通していると感じます。
社員同士で協力し合い、教え合う姿はまさに会社のカルチャーそのものと言えるでしょう。
そのような人柄の方が集まってこられたのもあるかと思いますが、人財育成を通じて、貴社の良いカルチャーを引き継いでいるのですね。
社員が日頃の業務で学んだことを振り返る、研修月報を読んでも、先輩から多岐にわたって細かく教えてもらっている様子が伺えるんです。
先輩から後輩の様子に隅々まで気を配っているコメントが見られます。
良き文化を継続してくれていることがうれしいですね。
また、この研修月報は上覧者に社長も含まれるため、社長自ら新入社員の月報を毎月全て確認しています。
人財育成の面で言うと、資格保有者が多いとも伺いました。資格取得に向けて、会社として支援に力を入れているのでしょうか?
会社の業務内容的に、資格を持っていないとできない仕事があるため、積極的に取得してもらいたいという意味合いで、資格の支援制度や人事制度を整えています。
支援制度はもちろんですが、社員同士で自主的に資格取得に向けての勉強会を開催しているんですよ。勉強会の中で情報共有をして、試験に臨んでもらっています
業務のDX化、IT化でさらに生産性を向上し、お客様満足につなげる
今後の会社の将来像、理想像を教えていただけますか。
今後の会社の目標は、10年後に現在の売上高の約3倍、150億円を達成できるようにすることです。
そのためには、メンテナンスの幅を広げていったり、工事の分野も伸ばしていったりという必要があると考えています。
例えば、現在はバルブの計装をメインに行っていますが、その周辺の電気設備のメンテナンスも行うなどメンテナンスのサービスラインナップを増やしていきたいです。
そうすれば、お客様が今まで複数の会社に依頼していたメンテナンスが1社で済むので、管理する負担は減ると思います。
電気工事の分野に関して注目しているのは「DX・AI」です。
現場とパソコンをつなぎ、現場の情報を集約するのには、AIを活用した電気工事が必要不可欠だと考えています。
監視制御部分にAIを用いることで、効率的なプラントの運転を実現するのです。
このようなシステム開発の需要は十分あると見込んでいます。
よりタイムリーに情報収集をすることで生産性を上げられるサービスをお客様に提案し、さらにメンテナンスも提供できるというわけですね。DX化については社内でも積極的に取り組んでいるんだとか。
そうですね、弊社が組織的にどう強くなるかということに重点を置いています。
取り組みとしては「技術ノウハウの見える化」です。
ナレッジ、DX、ITを連動させて、生産性の高い技術提供ができる会社を目指す取り組みです。
分かりやすく言うと、さまざまな部署の情報や知識を集約し、必要な時にどの部署からも引き出すことができるようなシステムづくりです。
このシステムはトラブルシューティングにも活きてくると思います。
また、今までは言葉で表現していたことをAIによって手順を動画化し、可視化していくことで効率化や生産性の向上も図っていきたいです。
このようなシステムを支えたり、活かしたりするには社員の方の力も当然必要となりますが、今後、どのような方に入社していただきたいとお考えでしょうか。
まずは、弊社で大切にしている「誠実・努力・協調」という社訓に共感していただける方にぜひ入社していただきたいと考えています。
次に、文系・理系問わず、チャレンジ精神をお持ちの方を歓迎したいです。
弊社は理系のイメージかもしれませんが、実は文系の方も第一線で技術者として活躍しています。
計装という、普段の生活にはあまり馴染みのない分野で、知識や情報が必要となりますが、そこは充実した研修制度でカバーできている結果かと思います。
手に職をつけたい方は安心してチャレンジしてもらいたいです。
美容師をやっていた方が研修センターのセンター長をやっていたり、歯科技能士の方が技術職として働いていたり、と中途入社の方の職歴は多岐にわたります。
最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
弊社が扱う計装は日本のプラントの根幹を担っているという点で、大きなやりがいを感じていただけると思います。
計装の一部が故障するだけでも、生産性が大幅に落ちてしまい、最悪の場合、プラント全体が停止してしまうこともあります。
日常点検から不具合が見つかることもあるため、弊社は非常に重要な立ち位置です。
日本の産業界の根底を支えているところに関心を持っていただければと思います。
また、電気・機械系の業者から、プラントメーカー、エンドユーザーまで、さまざまな業者の方とともにプラントを支えていく仕事です。
その中でも全体を見渡すことができる弊社は、お客様から非常に重宝されています。
弊社は、プラント設備という、日本経済には切っても切り離せない部分のさらに土台を支えている技術を持っている会社です。
一緒に日本を守っていきたいという気持ちをお持ちの方を歓迎します。
お客様プロフィール
■企業名
株式会社木内計測
■本社所在地
大阪市天王寺区清水谷町4番12号
■事業内容
・工業計器及び自動制御弁等のメンテナンス
・プラント計装工事の設計・施工
